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唐芋レアケーキ「ダイナミック・ラブリー」の秘密
〜こんなに手間ひまかけたケーキです〜

 唐芋が150種類。……これは今年の時点の品種の数です。
この数の品種を集めるのに、15年かかりました。

 NPO法人「唐芋ワールドセンター」では、この多種多彩な唐芋を、将来は独自の見本農場でリサーチ栽培する方針です。
 しかし、その基盤がまだ出来ていないため、現在はフェスティバロに栽培を委託しています。

 では、そのリーダーを務める竹内優さんに、150種類の唐芋を管理・栽培するストーリーを聞いてみましょう。



●それぞれ個性がある150種類

 ヒトと同じように唐芋にも個性があります。この個性をさぐりあてないと、各唐芋を育てるのに失敗します。芽が早く出る品種、肥料を好まない品種、水はけに敏感な品種など…。こういう個性ごとに、それぞれの栽培方法をほどこさねばなりませんので、日々手を抜くことができません。でも思いをかけた分、唐芋さんたちは十分にこたえてくれます。そこが私の仕事の面白いところです。

〈種芋の保管〉
 150品種の種芋は、コンテナを改装した貯蔵庫で保管します。温度次第で芽が出たりくされたりしますので、品種ごとの個性にあわせて温度を管理。また湿度も大切です。唐芋は思いのほかデリケートですので、いつも心地良くしておいてあげないといけません。

〈種芋の伏せ込み〉
 暖かいビニールハウスのなかに、150種類を間違えないように注意ぶかく種芋を伏せ込みます。水をたっぷり与えたり、夜は保温を心がけたり、晴雨の天候によってビニールを開けたり閉めたり。ちょっとゆだんすると全部の苗が枯れてしまうおそれすらあります。

〈土づくり〉
 冬の間に畑の土づくりを行います。トラクターで何度も深く耕し、太陽の光で消毒します。そして、土壌の検査をして肥料を施します。150品種のなかには肥料をきらうものもあり、同じ畑でも土づくりが異なります。

〈苗採り〉
 種芋から芽が出て30センチほどに伸びると、苗として採るわけですが、その間に昼夜、ていねいにビニールを開け閉めして苗を外気にならしてゆきます。150品種の苗は色も型も大きさも違い、採る時期も違います。

〈植え付け〉
 畑にトラクターで畝をたて、ここでも苗をとり違えないように細心の注意を払って植え付けます。全社員で植え付ける時は、全体を見て、手順の指導やチェックに走りまわります。


〈除草〉
 夏は雑草が勢いづきます。ちょっと目を離すと、もう畑は雑草だらけに。…ツルをもちあげて耕運機で除草する場合もあれば、一本一本を手で抜く場合もあり、暑さと闘いながらのきつい作業です。除草して陽光をいっぱいに浴びるようにすると、唐芋は大きく育ちます。
〈収穫〉
 どんな風に育っているか、緊張で眠れないぐらいの日々をすごして、いよいよ収穫の日。畑の中からまるまる肥った唐芋が出てきた時のよろこびは何にもかえがたいものがあります。全社員で収穫するのも、また大きなよろこびになります。トラクターなどで芋を傷つけないように、また持ち運びにも気くばりをします。
〈品種確認〉
 とにかく150品種。このひとつひとつを確認するために、畑にいくつもテーブルを並べて、その上にそれぞれの唐芋をおきます。選りすぐったものを、とり違えないように来年の種芋として確保します。




●年に1度だけ!
130種類の唐芋の第1次加工(2010年)


 収穫した唐芋は、わずかな日数で劣化します。このため掘たてをすみやかに第一次加工します。
 ここをリードするのは、明治乳業の工場長で定年退職し、10年ほど前からフェスティバロの顧問を務める竹添進先生です。
 130種の唐芋を第1次加工するポイントを竹添先生に聞きました。
「これは1年に1度だけの特別な作業です。1発勝負の積み重ねの作業となります。とにかく品種が混ざらないようにするのが、何よりも要注意。前夜は緊張で眠れませんでしたね。でも、実にうまくいったので、全員で達成感を味わいましたよ」

〈作戦会議〉
 とにかく年に1度の作業なので、くりかえしくりかえし作戦会議を開き、細かく注意し合いました。

〈品種ごとに分ける〉
 130種を色彩ごとに、紫色、紅色、白色、黄金色の4色に分けました。これが数が多くてまことに大仕事でした。
 (200箱をこえるキャリーです。)

〈良品質のものを厳選〉
 傷のある芋、病虫害にむしばまれた芋、形のわるい芋などは徹底的にとりのぞきます。よい原料でしか美味しいケーキは出来ないからです。

〈手で芋皮をむきます〉
 1つ1つを手にとって、さらに品質をチェックしながら、皮をむきます。そのスピードは芸術的なほどに目にもとまらぬ早技のメンバーぞろい。もちろん、原料を見る目もさえています。

〈水をかけながらスライス〉
 皮をむいた芋はスライスします。皮をむくと芋はすぐ変色しますので、スライスから炊きあげまでの作業は猛スピードで行われます。

〈衛生第一で炊きあげ〉
 4つに分けた色彩ごとに、それぞれ炊きあげます。衛生管理を徹底した工場内で行われます。

〈4色の各ペーストが完成〉
 ついにペーストが完成しました。4つの色彩別にパックして、このあとは瞬間冷凍で新鮮さを保ちます。



 年に1度だけ!
●ダイナミックラブリーは11月中旬に誕生しました。


 4つの色彩別のペーストを生かして、いよいよ「ダイナミック・ラブリー」が誕生しました!
 ただ今、神戸菓舎で新商品開発を手がけている郷原拓東パティシエが、「ダイナミック・ラブリー」を作るために大隅半島に戻って創作しました。
 2009年は86品種の唐芋で作りましたが、2010年はさらに品種が増えて130種類になりました。
2009年をはるかに越えており大変ご好評いただいております。


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